【CogEvo[コグエボ]】のトレーニング効果の要因のひとつは「豊富なフィードバック情報」にあります

CogEvo[コグエボ]は、高次脳機能障害のリハビリテーションで使用されているツールをICT化したものですが、トレーニングを目的に活用することで、認知機能(見当識、注意力、作業記憶など)、行動評価(易疲労性や発動性)、POMS2(気分プロフィール)が改善し、SF36(健康状態のスコア) の心の健康も有意に軽減し改善したことなどが報告されています。
 CogEvoは、ご存じのように実施後のフィードバック情報として、結果画面に「総合得点、指数、取組時間、級、メダル、コメント、レーダーチャート、トレンドグラフ」が表示され、今日の調子やこれまでとの比較などがわかりやすい設計になっています。
1. 級数・得点・指数
2. 級の獲得数をメダルで表示
3. 前向きなコメントで応援
4. レーダーチャートで現在と3ヶ月前の認知機能の特性を比較
5. トレンドグラフは週・月・年で表示され、認知機能の経時変化を確認

『“フィードバックの豊富さ”、“病前の操作状況との比較ができる”という面で、対象者の動機付けに影響し、さらにPCのセッティングや起動、ソフトの立ち上げ、課題の選択など自発的な行動の定着を促した結果、日常の認知的行動面の改善を促した可能性が考えられた。』(南ら,認知リハビリテーション,18(1),2013)
CogEvのトレーニング効果はタスクを取組むだけでなく、結果情報の仕組みも要因のひとつであることが臨床研究でもわかっています。


これからもCogEvoは、使う人の視点に立ったツールとして、エビデンス(科学的根拠)の取得だけでなく、より使いやすい技術開発に取り組みながら進化していきます。

【クイックチェック】は毎日のパフォーマンスチェックになります!

CogEvoの4つのメニューのひとつである「クイックチェック」は、注意力のタスク「視覚探索」と記憶力の
タスク「フラッシュライト」の2種で構成されています。
「視覚探索」と「フラッシュライト」は、既存の認知機能評価スケールや年齢との高い相関があることが
論文等で報告されており、12のタスクの中でも非常に信頼性の高いタスクといえます。
この2つのタスクは、(持続性・分配性)注意、視空間的ワーキングメモリ、視覚探索力、処理速度、等の
認知機能が関連しており、これらは主に遂行機能といわれて日常生活において物事を手際よく進めたり、周
囲の人々と上手く調整したりするのに必要なものです。
これらの認知機能は加齢とともに少しずつ低下しますが、過度なストレスや疲労、睡眠不足でも一過性で
低下することがわかっています。
認知機能の低下は仕事や生活などでのヒューマンエラーにつながるため、日々の生活のセルフチェック(
パフォーマンスチェック)として仕事や家事の前に行うことがおすすめです。

実施後の結果画面を見ながら、級や点数だけでなく、取組時間、結果のコメントなどをいつもと比較して
、その日の過ごし方を考えましょう。
これからもCogEvo(コグエボ)は、使う人の視点に立ったツールとして、エビデンス(科学的根拠)の取
得だけでなく、より使いやすい技術開発に取り組みながら進化していきます。

【5種バランスチェック】は短時間で行える効果的な認知機能トレーニングでもあるのです

「5種バランスチェック」は、「見当識」、「視覚探索」、「フラッシュライト」、「ルート99」、「ジャストフィット」の5つのタスクを、それぞれの認知機能である「(時間の)見当識」、「注意力」、「記憶力」、「計画力」、「空間認識力」をチェックするメニューです。

健康イベントで5種バランスチェックを行った際に、「脳が疲れました」と話す方は少なくありません。また、デュアルタスク等の介護予防プログラムの実施前に5種バランスチェックを行うとプログラムがスムーズに行うことができると話す施設スタッフがおられます。これは簡単なタスクに見えても様々な認知機能を使っている事に起因していると考えられます。

一般的な神経心理学検査ではセラピスト等が口頭での説明(音声情報)を聞いて回答します。一方で脳活バランサーCogEvoは、個々のタスクが持つ認知機能に加えて、タッチパネルに表示される文字を理解(読字理解)して、頭の中に思い描いた回答を保持(ワーキングメモリ)しながら、表示される回答から正解を探して(分配性注意)画面に手を触れる(微細運動)という一連の取り組みによる認知機能を使います。

<実施時に必要な認知機能(推測)>

これまでも5種バランスチェックは取組の様子や回答方法を聞くことで紙ベースの検査などではわからない、多面的に認知機能の特性を調べることができると伝えましたが、複数の認知機能を使うことにより効果的な認知機能トレーニングにもなるのです。

【さめがめ】は楽しみながら複数の認知機能を鍛える異色のタスクです。

「さめがめ」は、同じ色が2つ以上隣り合うボールを消していくもので、同時に消えるボールが多ければ多いほど、得点が大きくなり、消せるボールがなくなった時点でゲーム終了となります。12のタスクの中では比較的時間がかかり、なおかつトレーニングの色合いが強い異色のタスクです。

また、「さめがめは」、空間認識力のタスクに分類されていますが、高得点を出すためには、どの色を中心につなげて消すのか、順序や位置関係を考えながら取り組む必要があります。その際には、視覚性ワーキングメモリや注意力、計画力等の複数の認知機能を使うため、ゲーム感覚で楽しみながらも効果的な認知機能のトレーニングを行っていることになります。

脳活バランサーCogEvoのユーザーの中で、このタスクにはまる人は少なくなく、全消し(全部のボールを消す)や最高得点の更新に日々チャレンジしているようです。

最近ではカラーユニバーサルデザイン(CUD)に配慮し、 P 型(1 型)色覚、D 型(2 型)注)色覚の識別に対応した色使いに改変して色弱の方に取り組みやすくしました。

「さめがめ」をやったことがない、やり方がよくわからない、という方は是非チャレンジしてみてください。

【ジャストフィット】が苦手という人は少なくありません。

「ジャストフィット」は、中央に表示される見本と全く同じ形の選択肢を、より素早く見つけ出すタスクです。4つのステージがあり、ステージごとに難易度があがります。

空間認識力は、物体の空間に占めている状態や関係を素早く正確に把握する力で、視覚性注意が「情報の入手」に必要なものに対して、空間認識は「得た情報を使った活動」に必要なものと定義されています。

地図を見ながら目当ての場所にたどり着く際には必須な認知機能ですが、地図が読めない電車を反対に乗る、ドッジボールで顔面キャッチするような場合はこの能力が苦手なことが予想されます。

アルツハイマー病の空間認知障害は下表のように低下するとされていますが、記憶力とは違って、若いうちから苦手な方も少ないように感じます。

ナビゲーション技術の進歩で空間認識力が苦手な人でも問題なく生活できるような時代となりましたので、ジャストフィットだけはできないと否定的にとらえるのではなく、ひとつの特性ととらえて対応方法をきちんと考えるのが大切だと思います。

【ルート99】は微細運動のトレーニングにもなる

「ルート99」は、スタート地点から1つずつマスをクリックし、数字を順番にたどりながらより早くゴールを目指します。同じマスを2度通ることはできず、間違えた場合は「やりなおし」。合計3つのステージを短時間でゴールできると高得点になります。

「計画力」は、目的にあわせて手順を考え効率よく作業を進める力で、「段取り力」ともいわれており、「料理のメニューを考える」「旅行の計画を立てる」というのが代表的ですが、会議やイベントなどをスムーズに行うのにも必要です。

また、『将来の目標達成のために適切な構えを維持する能力』と定義される「遂行機能」の一部でもあります。

「ルート99」は、《数字の認識》《持続性注意》《空間認知》のほかに、《手の運動と視覚の協調性》の機能を駆使して行うことになりますが、高齢者の中には、指先でのタッチパネルの操作が苦手な方もいらっしゃいます。

手先で細かい動きすることを「微細運動(ファインモーター・スキル)」といい、《目と手の協調運動能力》が関わっていますが、ストレスや抹消の血流の悪化によってこの運動能力が低下することがわかっています。

近年、銀行ATMだけでなく、セルフレジなど日常の生活場面でタッチパネルを活用する機会が増えています。高齢期は体を動かす粗大運動だけでなく、手先を使う微細運動も取り入れたタッチパネル式の認知機能トレーニングを合わせて行うことが大切です。

【視覚探索】は遂行機能を担うタスクのひとつ

「視覚探索」は、ステージ1~2ではあ – い – う – え…、ステージ3では1 – あ – 2 – い – 3 – う …のように指示された順番でボタンを、素早く正確にクリックしていくタスクです。

このタスクは注意機能の検査として良く用いられるトレイルメイキングテスト(TMT)を模したもので、1・2ステージでは注意の選択性、3ステージでは転換性と配分性が反映されます。

注意機能は高次脳機能のうちでも基本的な能力の1つであり,

①持続性注意・・・注意を一定時間持続する

②選択制注意・・・複数あるうち一つのことに注意を向ける

③転換性注意・・・注意を向ける対象を切り替える

④配分性注意・・・多方向に注意を向ける、2つのことを同時にする

の4つに分類されており、注意障害になると、周囲からの刺激に対して意識を向けられなかったり、一つの事に集中できなくなったりと仕事や日常生活でミスが多くなります。

高齢者の転倒には、運動能力的なことだけではなく,注意分散能力のような認知的なことも関与しているといわれています。

前述のトレイルメイキングテストは、高齢者を対象としたイタリアの研究で通常歩行速度や障害物歩行と関連することから、わが国でも高齢期の健康づくりにおける遂行機能の評価指標としての有用性に関する報告があります。(広田千賀ら,日老医誌;45:647―654,2008)

また、このタスクを行うためには、数字や文字の認識・精神的柔軟性・注意持続性・視覚的探索力・視覚運動性・手の運動と視覚の協調性など様々な能力が必要とされており、継続的に行うことで複数の認知機能のトレーニングにもなります。

【カード記憶】は記憶の「再認」のタスク

「カード記憶」は次々にカードをめくり、同じ記号のカードが一度でも開かれていれば「ある」、無ければ「ない」を選んでいくタスクです。

記憶の過程は、《記銘》《保持》《想起》の三段階に分かれることを過去のメルマガで紹介しましたが、《想起(保持されている記憶を呼び起こす)》の方法として「再生」や「再認」があります。

 「今日の朝食はなんでしたか?」のように経験したことを思い出させるのを「再生」、「今日の朝食はパンでしたか?」のように経験したことがあるかどうかを確認するというのが「再認」と分類されており、事前にカードが表示される「カード記憶」は「再認」のタスクであるといえます。また、「再生」する能力は加齢の影響を大きく受けますが、選択肢(メニュー)から選ぶという「再認」する能力については高齢になってもそれほど落ちないといわれています。 

その為、記憶の「再生」が苦手になってきたら、日常生活の中では、「再認」であるオープンクエスチョン(はい、いいえ)や選択肢のある会話を相手に求めると良好なコミュニケーションを維持することができます。

また、「カード記憶」は連続して出てくる選択肢に対して答えていくため、想起する(思い出す)能力とは別に、一時的に情報を保持する作動記憶(ワーキングメモリ)の役割も必要となるため、視覚性ワーキングメモリのトレーニングツールとして活用することもできます。

【見当識】は時間の見当識チェックと複数のトレーニングタスク

見当識とは、時間・場所・人などから、自分のおかれた状況を理解し判断する能力をいいます。通常は見当識が保たれているため日常生活に支障をきたすことはありませんが、なんらかの原因でこうした認識ができなくなると、「誤って休みの日に仕事に出かける(時間)」「場所を勘違いした状態になり、そこから行動すると道に迷う(場所)」「人が認識できず、適切な関係が保てない(人)」等さまざまな問題が出てきます。こうした状態を「見当識障害」といいます。

「見当識障害」は、引越しや入院など生活における環境が変わると起こりやすく、また始めに日付や時間を間違える「時間」の認識の障害が起き、その後「場所」「人」の順で進行するといわれています。

CogEvoのタスク「見当識」では、見当識障害の初期に現れる傾向がある「時間」に着目し、日付や曜日、時間を一昨日から明後日までの範囲で7~14の選択肢の中から回答していきます。

「昨日は」「明後日は」などの問いには作業記憶(ワーキングメモリ)が必要となり、また高得点を出すためには複数表示された項目から素早く正答を見つけ出す必要があります。

そのため、見当識だけでなく、注意・集中するスキル(注意力)、効率よく見分けるスキル(視覚認知力)が必要となり、繰り返し行うことで複数の認知機能のトレーニング効果も期待できます。

【フラッシュライト】はワーキングメモリ(作業記憶)のタスク

「フラッシュライト」はライトが光る順番を記憶し、次にその順番でライトをクリックしていくタスクです。

フラッシュライトは単に記憶力だけでなく、一時的に情報を記憶しながら、その情報を処理する能力である(視覚性・聴覚性)ワーキングメモリの課題としても用いられています。

心理学では記憶を「長期記憶」と「短期記憶」に分類し、それぞれの機能的つながりや情報処理の仕組みを説明するために、認知課題の遂行に関わる情報の一時的な貯蔵としてワーキングメモリ(作業記憶)という概念が用いられています。

そのためワーキングメモリが衰えると「読み書きの低下」「注意散漫」「聞き間違えによる誤解や思い込み」等の日常生活の遂行能力に影響を及ぼすとされています。

ワーキングメモリの加齢変化は「情報を保持しつつ処理する」能力の低下が原因と考えられていますが、現代のように情報量が多い社会環境では高齢期より前でも低下が見られると言われています。

また、加齢が記憶能力に与える影響に関する研究は数多くなされていますが、どの記憶が深く関わっているのかは様々な学説があります。

下図のような分類でフラッシュライトに関わる「記憶」を考えてみると、「フラッシュライトと行うこと」は作業記憶、「フラッシュライトで最高得点を出して嬉しかった」は体験に基づくエピソード記憶、「フラッシュライトの攻略法」は学習に基づく意味記憶、「フラッシュライトのやり方」は動作や一連の手続き(反復練習)である手続き記憶、等に分類されます。フラッシュライトに取り組む際に、自分がどの記憶が衰えているかを考えてみるのも面白いかもしれません。