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【カード記憶】は記憶の「再認」のタスク

「カード記憶」は次々にカードをめくり、同じ記号のカードが一度でも開かれていれば「ある」、無ければ「ない」を選んでいくタスクです。

記憶の過程は、《記銘》《保持》《想起》の三段階に分かれることを過去のメルマガで紹介しましたが、《想起(保持されている記憶を呼び起こす)》の方法として「再生」や「再認」があります。

 「今日の朝食はなんでしたか?」のように経験したことを思い出させるのを「再生」、「今日の朝食はパンでしたか?」のように経験したことがあるかどうかを確認するというのが「再認」と分類されており、事前にカードが表示される「カード記憶」は「再認」のタスクであるといえます。また、「再生」する能力は加齢の影響を大きく受けますが、選択肢(メニュー)から選ぶという「再認」する能力については高齢になってもそれほど落ちないといわれています。 

その為、記憶の「再生」が苦手になってきたら、日常生活の中では、「再認」であるオープンクエスチョン(はい、いいえ)や選択肢のある会話を相手に求めると良好なコミュニケーションを維持することができます。

また、「カード記憶」は連続して出てくる選択肢に対して答えていくため、想起する(思い出す)能力とは別に、一時的に情報を保持する作動記憶(ワーキングメモリ)の役割も必要となるため、視覚性ワーキングメモリのトレーニングツールとして活用することもできます。